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【体外受精&顕微授精】自己注射のやり方を徹底解説!各プロセスの写真&ナースのポイントアドバイス付き

2023/05/13 公開
2023/10/04 更新

画像ギャラリー

体外受精では複数の卵を育てるために、排卵誘発剤の注射を打ちます。注射をする期間は、およそ1週間から10日間です。

その間、1日1回、毎日打つ必要があるので、自宅などで自分で注射を打つ「自己注射」を選ぶ方がふえています。でも、自分で自分に注射を打つなんて、コワいし不安ですよね。

この記事では、自己注射のやり方を一つ一つ、看護師のコメントつきで完全解説します。自己注射の先輩からの体験談も参考にしてくださいね!
「実際に自分でやってみたら思ったより簡単だった」という経験者の声も届いています。

自己注射によって、毎日通院する必要がなくなるので、体外受精へのハードルが一つ下がるはずです。

「自己注射とは?使うものは?」キホンはこちらからチェック

【体外受精の排卵誘発のための】自己注射のプロセスを完全解説!

自己注射のやり方を、一つ一つ完全解説します!
薬剤などが転がらないよう安定した場所を選んで準備しましょう。

教えてくださったのは
オーク住吉産婦人科
看護師長・紫藤千鶴さん

【ポイント】1回分をトレイにセットしておくのがおすすめ!

≫【1回の自己注射で使うものリストを見る】

自己注射のやり方ガイド

①生理食塩液の上部の空気を抜きます


生理食塩液のガラス容器を持ちます。
くびれより上の部分に液がたまっていることがあるため、軽く指ではじいて、液を下に落とします。

②ガラス容器の先端部分を折ります


ガラス容器の青い印のすぐ下に切れ込みが入っているので、そこを中心に向こう側に折ります。
「折るときは指を保護するために、写真のようにアルコール綿を使うと安心です」

③折ったガラス容器の先端部分はゴミ入れへ


ガラス容器の先端は、用意しておいたゴミ入れへ入れます。
「危険ですので、家のゴミ箱などに捨てないように気をつけましょう」

④お薬のふたを外します


ふたをあけた生理食塩液は平らなところにいったん置いて、お薬を持ちます。
上部はゴム製のふたになっているので、そのふたを外します。

⑤注射器と針をとり出します


次に注射器、太い針、細い針をそれぞれ途中まで開封して準備しておきます。
「できるだけ清潔に保たないといけないので、このようにします」

⑥注射器に針をとりつけます


注射器と、キャップをつけたままの太い針を完全にとり出し、注射器に針をとりつけます。しっかりはまったらキャップを外します。
「針をねじるように、ギュッと差し込むのがコツ」

⑦注射器で生理食塩液を吸い上げます


アンプル内の生理食塩液を、注射器で吸い上げます。アンプルには2ml入っていますが、吸い上げるのは1ml。注射器の目盛りを目安にしましょう。
「むずかしければ正確にはからなくてもかまいません。だいたい1mlと考えましょう」

⑧アンプルを捨てます


アンプルに残った生理食塩液は使わないので、アンプルごとそのままゴミ入れに捨てます。

⑨お薬に生理食塩液を注入

④でふたをあけた粉末状のお薬が入ったバイアルの中央に注射器の針を刺して、生理食塩液を注入します。
「きちんとお薬が溶けているか、確認しましょう」

⑩溶かしたお薬を注射器で吸い上げます


お薬が溶けているのを確認したら、バイアルを傾けて、今度は注射器で吸い上げます。

「注射器の先端は斜めにカットされているので、針穴を側面につけるようにすると吸い上げやすいです」

⑪太い針を取り外します



お薬が入ったままの状態で、注射器から太い針をとり外します。
先端に気をつけながらとり外しましょう。外した針とバイヤルは、ゴミ入れへ捨てます。

⑫細い針を注射器にとりつけます


⑤の細い針をとり出し、注射器にしっかりととりつけます。注射器内に気泡があれば、軽く指ではじいて上に集めます。その空気を押し出して、液面を注射器のいちばん上のラインまで上げます。
「空気は多少入っていても気にしないで」

⑬皮膚を消毒します


おへその下あたり、注射する部分をアルコール綿で消毒します。
刺す部分を中心に外側へ円を描くようにふきます。乾くまで1分ほど待ちます。
「注射する場所は、毎回少しずつ変えるようにするといいですね」

⑭針のキャップを外します


細い針のキャップを外します。「このとき針もいっしょに外れてしまう…とおっしゃるかたが多いです。
針はねじって差し込むように、注射器にしっかりととりつけてください」

⑮気持ちを落ち着けて注射をします


消毒した部分の皮膚をつまみ、皮膚と注射器が45度くらいの角度になるように針を刺します。

もし注射器の中に血液が入ってきたら、針を抜いてもう一度位置を変えて針を刺します。針のつけ根が1/3ほど残る程度に刺して、注射器の薬液がなくなるまで、ゆっくりと打ちます。

⑯針を抜いて、テープを貼ります


薬液がなくなったら、ゆっくりと針を抜きます。注射したところをアルコール綿で軽く押さえてから、テープを貼ります。
「注射した部位は押したりもんだりしないでください」

⑰注射器を捨てます


使い終わった注射器は、そのままゴミ入れに捨てます。
しっかりと容器にふたをして、次回クリニックに持参します。

≫【画像でプロセスをおさらい】

自己注射に使ったものは自宅で捨てていいの?

自宅で捨てていいのは、注射器やアルコールのパッケージとアルコール綿です。
それ以外の、使い終わったアンプル、バイヤル、針、注射器は医療廃棄物としてクリニックで処分します。未使用のアンプルやバイアル、注射器もクリニックに返却しましょう。

【自己注射】少し高いけど、より簡単なペンタイプもあります


ペンタイプはあらかじめ薬液が注射器の中に入っているので、自分で薬液を作る必要がありません。
また注射針もシリンジタイプにくらべて細く短いため、痛みも少ないという特徴も。値段が高くても、めんどうな手間を省きたい、痛くないほうがいい!というかたにおすすめです。

注射針のとりつけも簡単


本体の先端を消毒し、針ケースのシールをはがして、そのまま本体にとりつければ準備完了。
針は注射を打つたびに交換します。

薬液の投与量も簡単に設定できる


本体に投与量の表示窓があり、注入ボタンをカチカチと回して決められた投与量に合わせます。
注射する際は、本体をにぎって親指で注入ボタンを押します。

自己注射についてもっと知りたい!Q&A

答えてくださった先生は
オーク住吉婦人科
田口早桐先生

【自己注射の疑問①】
緊張して、規定量の半分くらいしか注射できませんでした。もう1回打ち直したほうがいい?

答え・打ち直さなくても、そのままで大丈夫です

「その方状況にもよりますから、クリニックに電話して指示をあおぐのがベストですが、薬液が規定量入らなくても、たいへんな事態に陥るわけではありません。
原則的にはそのままで大丈夫です」(田口先生)

【自己注射の疑問②】
こわがりでめちゃくちゃ緊張します。なにかアドバイスはありますか?

答え・絶対に失敗しませんから安心してください!

「こわがる方には『自己注射は絶対に失敗しません!失敗しようがないんです』とお伝えしています。
それくらい、むずかしいことではないです。どうしても緊張する場合は、看護師に相談してみてください」(田口先生)

【自己注射の疑問③】
どうしても自己注射が無理で断念した人はいますか?

答え・いらっしゃいます。無理する必要はありませんよ

「実は看護師さんでした(笑)。患者さんに打つことはできるのに、自分に打つのはこわいと、受診した方がいらっしゃいました。
自己注射がストレスになっては本末転倒ですから、どうしてもむずかしい場合は、無理する必要はありません。クリニックで打ってもらうようにしましょう」(田口先生)

関連リンク:黒歴史すぎた1度目の不妊治療をふりかえり 【ただいま進行中!アラフォー妊活記録】

実際どうなの?体外受精 自己注射の体験談

慣れれば簡単!旅先でも打てます(H.Mさん)

男性不妊のため、35歳で体外受精に挑戦。病院が推奨していたため、自己注射を選択することになりました。
クリニックで自己注射のレッスンを受けましたが、決められた薬の量をきちんと注射器で吸えるかが不安でした。

はじめて打つときは、テーブルの上に注射器やお薬などすべて並べ、慎重にやったため手間どりましたが、慣れれば簡単だなと思いました。
おなかの脂肪の部分に打ったので、痛みもあまり感じませんでした。

ただ、慣れてきたころにアンプルを折るのに失敗。指を切り、血も止まりにくくてギョッとしたことがありましたが、それ以外は特に問題なくできたと思います。
旅行先のホテルで打つこともできたので自己注射でよかったと思いました。

自己注射という言葉だけでこわく、正しくできているのか不安になりますが、あまり神経質にならないほうがラクだと思います。やってみて、うまくいかなかったら病院で打ってもらうなど気楽に考えてみてくださいね。

痛みも落ち込みも徐々に慣れました(T.Mさん)


長女が小学生になったころから、2人目妊活を開始し体外受精へ。長女のお迎えがあったため自己注射を選択しました。

クリニックで看護師さんに自己注射するところを隣で指導してもらって、できるようになりました。
指導のときは、何度も打ったのでおなかにあざができ、長女に心配されましたね。

はじめて自己注射したときは痛みもありましたが、こんなコワいことを家でしている自分に落ち込んでしまって…。
でも、回数を重ねるごとに痛みも落ち込みにも慣れました。

はじめは抵抗があるかもしれませんが、慣れます!
かわいいベビーと出会うためのプロセスだと思えば乗り越えられるし、案外すんなりとルーティンになります。

『赤ちゃんが欲しい 体外受精総力特集号』より

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川崎医科大学、兵庫医科大学大学院卒。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。2016年8月に、妊活をポジティブに乗りきるために知っておきたいポイントと、自らの顕微授精体験をつづった『ポジティブ妊活7つのルール』(主婦の友社)を出版。国内外での学会発表も精力的に行っている。

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